島本 彩

〈木津川アート2018〉会場 12 長柄邸

「Things of Nagara’s house」

平面・銅版画(メゾチント)

数十年、空き家となっている家に初めて入った時、お宅に上がらせて頂く緊張感と共に、あまりにも時間が止まっている情景に畏怖の念をもった。

今は、掃除され沢山の物がなくなってしまったが、つい此間まで、薄っすらと灰色の埃を被った、様々な個性の物で溢れていた。

私は、かつて誰かに所有され、何かしらの思い出が染み込んでいる物に興味がある。

メゾチントという技法で、実際の物の分身である銅版を作り込み、それを紙にうつす作業は、物にある記憶を読みとり、私とその実際の物たちの対話を可視化してくれる。

この場所に存在した本当の記憶を、私が知ることは出来ないが、かつてそこにいた人や時間、地域や暮らしを、うかがい知ることは出来る。

初めて長柄邸に訪れた時の、緊張感は今はない。物静かで実はお喋りな物たちの一部と、話が出来た気がするからだ。

木津川アートプロジェクト事務局(一般社団法人 木津川市観光協会内)

〒619-0216木津川市州見台1-1-1 ガーデンモール木津川2階

TEL 0774-73-8191    MAIL info@kizugawa-art.com

© kizugawa art2018. All Rights Reserved.