内藤 伸彦

〈木津川アート2018〉会場 5 上村邸

「ひびのあとさき」

土による造形・インスタレーション

        ひびのあとさき

 

偶然のように土にひびが走る。

掌の線のような痕をつけ、わずかずつ隙間がひらく。

それはゆっくりとすすむ必然。

 

くりかえしあらわれるひびが見せる線は、

縁からこぼれずに、現実を夢へと接木するごとく

まわりの虚空へとつながってゆく。

 

乾いた田んぼ、干上がった河原の土面、

今ここであらたに出会うひびの姿の上に、

記憶がふるい景色を重ねる。

 

水たまりのように並ぶ土板を、ほっそりとした枝が支える。

地面、草、壁、光、場に降りつもった時、と呼応して、

立ちどまっていた土板が、かさこそとひそやかな跫音をささやく。

 

光や風とともに、雨に打たれる土面。

なお起こっている出来事が、やがて作品を崩し、

宿っていた魂は、土ー地面ー自然へと還ってゆく。

 

この場所で起こったささやかな過去を手がかりに、

自然より多くの手段で語ろうとはせずに、

そおっとさきを見まもる。

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